ミッチェル・バチェレ。Michelle Bachelet。チリ大統領。
1月15日、南米のチリで大統領選の決選投票が行われ、中道左派の与党連合に所属するミッチェル・バチェレ前国防相が当選。3月11日にチリ初の女性大統領が誕生する。
1951年、チリのサンティアゴ生まれ。空軍の将軍であった父の仕事の都合で、62年からの2年間をアメリカで過ごす。70年、チリ大学医学部に入学。73年、ピノチェト将軍によるクーデターによって、アジェンデ政権で働いていた父が逮捕され、獄死。75年、自身も母と共に逮捕され、拷問を受けた。その後、オーストラリアと東ドイツ(当時)に亡命、79年に帰国を果たした。90年のチリ民政移管後は、医師の経歴を生かし保健省に勤務。97年からは軍事問題を扱うシンクタンクでシビリアンコントロールなどの政軍関係について研究した。その後、アメリカ・ワシントンの国防大学を経て、98年にチリ国防省の上級顧問に就任。大統領選では失業率引き下げを公約とし、中道右派で国民改進党のセバスティアン・ピニェラ前党首を破った。