ニコラ・サルコジ。Nicolas Sarkozy。フランス新大統領。
2007年5月6日、フランス大統領選挙の決選投票が行われ、即日開票の結果、民衆運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ前内相が、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相を破り、初当選した。得票率はサルコジが53%、ロワイヤルは46%だった。
1955年、フランス、パリ生まれ。ハンガリー移民の父とユダヤ系ギリシャ移民の母の間に生まれた移民2世。エナルクと呼ばれる超エリート校「国立行政学院(ENA)」出身者が大半を占めるフランス政界では珍しい、パリ大学卒で弁護士出身。77年、パリ西郊のヌイイ市議に当選。88年、国民議会(下院)議員に初当選し、93年、バラデュール内閣で予算相・政府報道官として初入閣。95年の大統領選では、ジャック・シラク前大統領から離反したため、第1次シラク内閣では冷遇された。2002年のシラク大統領再選以降、内相、財務相を務め、不法移民や暴徒に対する強硬姿勢で、大衆に支持を広げた。04年UMP党首に就任し、閣僚を辞任。05年6月から07年3月に再度、内相を務め、05年秋に起きた暴動では、暴動に参加した移民系の若者を「社会のくず」と罵倒して、物議をかもした。イギリスのブレア首相同様、テレビを通して主張を訴え、新世代の政治家と評される異色の新大統領は、フランス史上初の移民系大統領で、第二次世界大戦後生まれとしても初の大統領となる。