フシミ・コウジ。物理学者。
2008年5月8日、大阪大学、名古屋大学の名誉教授で、日本の原子力の平和利用に道筋をつけた物理学者、伏見康治さんが、老衰のため死去。98歳。
1909年、愛知県生まれ。33年、東京帝国大学理学部物理学科卒業。40年に大阪帝国大学教授となり、59年に理学部長。61年には名古屋大学に新設されたプラズマ研究所の所長となった。原子力の平和利用を訴え、52年の日本学術会議の総会で茅誠司氏とともに原子力の平和利用を提案。54年に起草した原子力憲章草案から生まれた「自主・民主・公開」の平和利用3原則は、55年公布の原子力基本法に反映された。77年から82年まで日本学術会議会長、83年からは参議院議員を1期務めた。著書に「伏見康治著作集」などがある。