ミムラ・ ヒトシ。シューズ職人。
2009年3月31日、トップアスリートの別注シューズを長年にわたって作り続け、「現代の名工」にも選ばれたアシックスの三村仁志さんが同社を定年退職。
1948年、兵庫県生まれ。県立飾磨工業高校では陸上部キャプテンを務め、1500m障害や駅伝を中心に活躍。職業として陸上に長くかかわるため、大学からの誘いを断り、67年に鬼塚株式会社(現アシックス)に入社。74年に別注シューズの製作専任となり、91年の世界陸上で優勝した谷口浩美の「三村さんの靴のおかげで勝てました」とのコメントで、その存在が世の中に知れ渡った。以後、女子マラソンの高橋尚子や野口みずき、メジャーリーガーのイチロー、 サッカーの川口能活、レーサーの高木虎之介、ボクシングの長谷川穂積など多くの一流選手をサポート。2004年には「現代の名工」に選ばれ、06年には黄綬褒章を受章している。三村さんは加古川市内に自分の工房を設け、独自ブランドで選手のサポートを続けるという。