ミウラ・テツオ。小説家。
2010年8月29日、芥川賞を受賞した恋愛小説「忍ぶ川」などで知られる作家の三浦哲郎さんが、うっ血性心不全のため死去。79歳。
1931年3月16日、青森県生まれ。呉服屋の6人兄姉の末弟として生まれたが、37年、次姉が青函連絡船から入水し、長兄が失跡、翌年には長姉が服毒自殺。49年早稲田大学政経学部に入学するが、次兄の失跡をきっかけに大学を中退し、郷里で中学教師となった。このころから小説を書き始め、53年早大文学部に再入学。同人誌に発表した作品で井伏鱒二に認められ、60年に自身の結婚を題材とした小説「忍ぶ川」で第44回芥川賞を受賞した。76年に「拳銃と十五の短篇」で野間文芸賞、83年「少年讃歌」で日本文学大賞、85年「白夜を旅する人々」で大仏次郎賞を受けた。また、児童文学「ユタとふしぎな仲間たち」は、劇団四季のミュージカルになるなど、人気作となった。84年から2005年夏まで芥川賞選考委員を務めている。2001年に脳梗塞で倒れてからも執筆を続け、10年6月に随筆集「おふくろの夜回り」を出したばかりだった。