ハラダ・マサズミ。医師。
2010年10月29日、世界で地球環境の保全に貢献した人をたたえる第2回「KYOTO地球環境の殿堂」に、水俣病研究の第一人者で熊本学園大学水俣学研究センター顧問の原田正純ら3人が選ばれた。
1934年9月14日、鹿児島県生まれ。64年に熊本大学大学院医学研究科博士課程修了後、同医学部神経精神科助手などを経て、72年に同体質医学研究所助教授に。60年から水俣病の治療と研究をはじめ、その他に、三井三池炭鉱の一酸化炭素中毒、土呂久のヒ素中毒、カネミ油症などについても社会医学的に研究。さらに海外の水銀汚染や環境汚染物質中毒の調査・研究にも尽力した。水俣病訴訟では被害者支援の立場から証言に立ち、94年には国連環境計画(UNEP)のグローバル500賞を受賞している。99年、熊本大学退官後は熊本学園大学教授となり、水俣学講座を開講。2005年には水俣学研究センターを学内と水俣市に設立。10年退職後も顧問を務めている。今回、「地球環境の殿堂」に選ばれたのは、ほかに共有資源の集団管理の研究で09年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの政治学者エリノア・オストロムと、「国民総幸福(GNH)」の概念を提唱したブータンのジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王の2人。