ヤナギ・ソウリ。本名、宗理（ムネミチ）。工業デザイナー。
2011年12月25日、日本の工業デザイナーの草分けで長年にわたり、キッチン用品や日用品などさまざまな製品のデザインを手がけた文化功労者の柳宗理さんが、肺炎のため死去。96歳。
1915年6月29日、東京生まれ。民芸運動の創始者、柳宗悦（やなぎ・むねよし　1889～1961）の長男。東京美術学校(現・東京芸術大学)で洋画を学ぶが、フランスの建築家ル・コルビュジエの影響でデザインを志望。卒業後、コルビュジエの協力者だったフランスのデザイナー、シャルロット・ペリアンの助手として全国の伝統工芸を視察。坂倉準三建築事務所を経て、戦後、工業デザインを始めた。52年には第1回新日本工業デザインコンクール（現・毎日デザイン賞）で第1席に入選し、53年柳工業デザイン研究会を設立。57年にはバタフライスツールがミラノ・トリエンナーレで金賞を獲得し世界的な評価を得た。食器や調理器具、家具や照明、オート三輪など幅広い製品や野毛山公園歩道橋（横浜市）や札幌冬季オリンピック聖火台のデザインも手掛けた。また、日本民芸館（東京都目黒区）館長や日本民芸協会会長も務めた。