フォスコ・マライーニ。Fosco Maraini。文化人類学者。
6月8日、アイヌ研究などで知られるイタリアの知日派文化人類学者、フォスコ・マライーニさんが死去。91歳。
1912年、イタリア・フィレンツェ生まれ。アジア民族学、特にチベットやアイヌに関する研究で知られる文化人類学者。小説家ダーチャ・マライーニは長女。30年代後半に来日し、北海道大学でアイヌ研究に従事。京都帝国大学(現・京大)でイタリア語を教えたが、第2次大戦末期にはイタリアが降伏したため、敵国人として強制収容された。終戦後はマッカーサー元帥の秘書を務めたのちにフィレンツェ大で日本文学を教えたほか、京都の国際日本文化研究センター客員教授などを務めながら日本研究を続けた。カラコルムなどの登山に関する著書があり、登山家、写真家としても活躍。2001年には東京都写真美術館で写真展が開かれた。