ナンジョウ・ノリオ。本名、古賀英正。作家、経済学者。
10月30日、歴史小説などで活躍した直木賞作家で経済学者の南條範夫さんが、肺炎のため死去。96歳。
1908年、東京生まれ。東京帝国大学法学部・経済学部を卒業後、東京大学経済学部助手などを経て、雑誌の懸賞小説に応募を始め、51年「週刊朝日」の懸賞小説に「出べそ物語」が入選。翌年「子守の殿」でオール新人杯(のちのオール讀物新人賞)を受賞し、「サンデー毎日」の懸賞小説にも入選。56年には遣唐使の悲劇を描いた「燈台鬼」で直木賞を受賞。時代小説を中心に幅広く活躍し、映画化された「武士道残酷物語」、テレビドラマにもなった「月影兵庫」シリーズ、NHK大河ドラマの原作「元禄太平記」などの作品がある。82年には「細香日記」で吉川英治文学賞を受賞した。経済学者としては中央大学教授、国学院大学教授を歴任。「ソヴェート農業経済論」「日本金融資本論」を著した。