マツモト・ゲン。生物物理学者。
3月9日、神経繊維研究の第一人者として知られる松本元さんが、肝硬変のため死去。62歳。
1940年、東京生まれ。69年、東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。その後、東大物理学科助手となり、71年、工業技術院電子技術総合研究所(電総研)に入所。電総研超分子部長、筑波大学教授などを経て、97年理化学研究所入り。電総研時代に神経の研究を始め、アメリカ国立衛生研究所に留学。ヤリイカの水槽内での人工飼育に世界で初めて成功し、その巨大神経細胞の興奮現象のメカニズムを物理学の立場から解明するなど、神経細胞の研究を通して、人間の脳のような「脳型コンピューター」の開発を目標にしていた。著書に「愛は脳を活性化する」「脳型コンピュータとチンパンジー学」など。