ヒラオカ・ヤスヒロ。元テレビカメラマン、ノンフィクション作家。
11月17日、第1回開高健ノンフィクション賞の贈賞式が開かれ、「虎山(こざん)へ」が308編の応募作品から受賞作に選ばれた平岡泰博らが出席。
1942年、大阪府生まれ。大阪府立大学工業短期大学卒業後、関西テレビのカメラマンとなり、ドキュメンタリー番組の撮影で日本テレビ技術賞を受賞している。受賞作は、だれも撮影したことのない絶滅寸前の幻のシベリアタイガーを撮影するため、96年~97年にかけてロシア沿海州の山へ3度にわたる取材行したときのことを描いたもの。著者は3度目の取材で20メートルの距離で2頭のトラをカメラに捉えることに成功するが、それまでのシベリアの自然が織り成すドラマをカメラにおさめていく著者の回想などが格調のある文体で綴られている。
なお、優秀賞を受賞したのは姜誠(カン・ソン)「越境人たち 六月の祭り」と駒村吉重(こまむら・よしえ)「ダッカへ帰る日-故郷を見失ったベンガル人」の2作品。