ヤマダ・ムラサキ。本名、白取三津子。マンガ家。
2009年5月5日、女性ならではの繊細な心理描写で等身大の女性を描いたマンガ家でエッセイストのやまだ紫さんが脳内出血のため死去。60歳。
1948年、東京都生まれ。デザイン事務所勤務を経て、69年漫画専門誌「COM」に投稿した「ひだり手の…」でデビュー。71年「月刊漫画ガロ」で「ああせけんさま」が入選、72年第9回「ビッグコミック賞」でも佳作入選となるが、73年に長女、74年に次女が生まれ、育児に専念。78年から本格的に復帰を果たし、以後「ガロ」を中心に作品を発表した。自身の体験を踏まえた等身大の女性の日常をさりげなく描きながら、繊細かつ巧みにその心理の襞(ひだ)をすくい取り、時には肌が粟立(あわだ)つような心の深淵さえ垣間見せる作品世界で、熱心な読者を獲得。また、詩画集やエッセイなどでも手腕を発揮した。代表作に「性悪猫」、「しんきらり」など。89年には「ちきゅうクラブ」から参院選に立候補(落選)。2006年度からは京都精華大学マンガ学部教授も務めていた。