ヤギ・シュウイチロウ。本名、伸一。劇作家。
6月14日、新劇や商業演劇、ミュージカル、テレビドラマなどで多数の作品を発表した劇作家の八木柊一郎さんが、直腸がんのため死去。75歳。
1928年、横浜市生まれ。旧制山形高校在学中に劇作に興味を持ち中退、同人誌に作品を発表するようになる。55年文学座アトリエ公演「三人の盗賊」を発表して劇作家としてデビュー。60年安保当時には木下順二、宮本研らと劇作家グループに参加。62年には「波止場乞食と六人の息子たち」「コンベアーは止まらない」で岸田國士戯曲賞、70年に「空巣」で芸術祭優秀賞を受賞した。70年代からは社会問題化してきた家や家族の崩壊を鋭く描いた作品を発表。代表作に「抱擁家族」「国境のある家」「カラマーゾフの兄弟」などがある。ほかにミュージカルや商業演劇、テレビドラマなど幅広い脚本を手掛けた。浅田次郎の小説を舞台化した、2004年3月の「天国までの百マイル」(文学座)が最後の作品となった。