ヨネザワ・フミコ。物理学者、慶應義塾大学名誉教授。
3月3日、2005年度の「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」の受賞者に物理学者の米沢富美子ら5人が選ばれ、パリで授賞式が行われた。
1938年、大阪府生まれ。61年、京都大学理学部卒業。結晶構造をもたない固体、アモルファスに関する国際会議の国際常任委員など、多数の国際会議の組織委員長を務めるほか、96年には女性初の日本物理学会会長に選出された。「ブラウン運動」「複雑さを科学する」「アモルファスな話」など物理関係の著書、訳書のほか、半生を綴ったエッセイ「二人で紡いだ物語」を出版。大佛次郎賞の選考委員も務めるなど、幅広い活躍で知られる。同賞は、女性科学者の参画促進と地位向上を目的として、偉大な業績を達成した科学者を称えるもので、化粧品会社のロレアルとユネスコとの共同事業。「女性は直感と忍耐という研究に必要な二つの要素を持つ」と語った授賞式のスピーチは、ハーバード大学長が行った「先天的な理由から女性科学者が少ない」とする発言に対する反論であると話題を集めた。