ワタナベ・タダシ。理化学研究所・次世代スーパーコンピューター開発実施本部プロジェクトリーダー。
11月9日、理化学研究所は、次世代スーパーコンピューター開発実施本部の渡辺貞プロジェクトリーダーが、アメリカの学会賞「シーモア・クレイ賞」を受賞することに決まったと発表した。
1944年、東京都生まれ。東京大学大学院を卒業後、NECに入社。スーパーコンピューターなどの開発に従事した。83年、当時最高速となる、1秒間に10億(1ギガ)回の演算を行うスーパーコンピューター「SX-2」を開発。94年には1秒間に1兆(1テラ)回の演算を行う「SX-4」を開発した。2002年に開発された「地球シミュレータ」は、1秒間に40兆回の演算性能を持ち、02年から2年半の間世界最速を誇った。05年、NECを退社後、06年に理化学研究所に入所。現在は、テラより1つ上のけたの10ペタ(1ペタ=1000兆)回の演算が可能な次世代「汎用京速コンピューター」開発の陣頭指揮をとっている。
「シーモア・クレイ賞」はコンピューターの進歩に関して大きな功績をあげた人物を表彰する賞で、日本人の受賞は初。受賞は、当時世界最速の「地球シミュレータ」を設計した功績などが評価されたことによる。