カドワキ・テイジ。歴史学者。
2007年6月12日、「大化改新」を「後世の脚色」と否定、大和政権とは別の有力な王国があったとする「地域国家論」などで知られる歴史学者の門脇禎二さんが、肝内胆管がんのため死去。81歳。
1925年、高知県生まれ。旧制第五高等学校(現・熊本大学)在学中に応召。中国で傷病兵、俘虜生活などを送り、復員後、京都大学を卒業。同助手を経て57年奈良女子大学に転じ、75年京都府立大学教授。86年には同学長となり、退官後に京都橘女子大学(現・京都橘大学)の教授、同学長を務めた。正倉院文書などの文献と考古学の成果を総合的に分析して、日本の古代史研究を推進。「大化改新否定説」や古墳時代に丹後地方を中心に独自の王国があったとする「地域王国論」などを唱え、学界に大きな影響を与えた。著書に「日本古代共同体の研究」「飛鳥」「古代日本の『地域王国』と『ヤマト王国』」「丹後王国論序説」「飛鳥と亀形石」などがある。