オオタキ・ヒデジ。俳優。
2012年10月2日、ひょうひょうとした老人から、頑固おやじ、さらには極悪人までと幅広い役柄を演じた俳優の大滝秀治さんが、肺扁平上皮がんのため死去。87歳。
1925年6月6日、新潟県生まれ。48年民衆芸術劇場(劇団民芸の前身)の俳優養成所に入団。かすれた甲高い声のため、当初は演出部に回されたが、52年の「冒した者」公演で代役を務めたのを機に俳優へ転じた。70年の舞台「審判」で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。75年のNHK連続テレビ小説「水色の時」の医師役で注目を集め、同年のドラマ「うちのホンカン」の駐在警官役や、「特捜最前線」の老刑事役で評価を得た。映画の出演に「黒部の太陽」「不毛地帯」「あにいもうと」「犬神家の一族」「影武者」「お葬式」など。舞台「巨匠」と「浅草物語」で読売演劇大賞と最優秀男優賞、「らくだ」で文化庁芸術祭賞大賞を受賞。2011年に文化功労者。12年2月に末期肺がんが見つかったが、手術や放射線治療を拒否し、抗がん剤治療に専念していた。12年8月公開の降旗康男監督の「あなたへ」が最後の映画出演となった。