カンゼ・ヒデオ。能楽師。
2007年6月8日、能楽観世流シテ方で俳優、演出家としても幅広く活躍した観世栄夫さんが、大腸がんのため死去、79歳。
1927年、東京生まれ。七世観世銕之丞(てつのじょう)の二男。兄は寿夫、弟は八世銕之丞(静夫)。3歳で初舞台、6歳で初シテを務める。東京音楽学校(現・東京芸大)本科能楽専攻中退。49年観世流から喜多流に移った。同流の名手、後藤得三の芸養子となり、十四世喜多六平太、十五世喜多実に師事。58年能楽界を離脱し、演出、俳優に専念していたが、兄、寿夫の尽力もあって79年に観世流に復帰。能から小劇場まで幅広く活動し、木下順二作「子午線の祀り」には79年の初演から参加した。代表作に能では「道成寺」、映画に「利休」「砂の女」「鉄輪(かなわ)」「午後の遺言状」などがある。83年にはインスタントコーヒーのCMキャラクター「違いがわかる男」としてお茶の間の話題を呼んだ。