タケモト・スミタユウ。本名、岸本欣一。人形浄瑠璃文楽太夫(語り)。
2008年3月7日、人形浄瑠璃文楽の太夫で、人間国宝の竹本住大夫が、フランス政府より芸術文化勲章コマンドゥール章を贈られることになった。
1924年、大阪府生まれ。養父は六世竹本住大夫だが、文楽の世界に入ることを反対され、大学を出て応召。復員後ようやく入門を許され、46年、豊竹古靭大夫(こうつぼたゆう、のちの豊竹山城少掾[やましろのしょうじょう])に入門して、竹本古住大夫として初舞台を踏む。85年、七世竹本住太夫を襲名して現在に至る。愚直なまでに稽古熱心で、深い解釈と豊かな表現を培い、89年には重要無形文化財保持者(人間国宝)、2002年には日本芸術院会員、05年には文化功労者にも選ばれた。芸術文化勲章は、1957年に創設され、フランス文化省が授与。コマンドゥール(Commandeur)章は、3等級ある同章の最高位。2003年にユネスコの「世界無形遺産」に指定されたためもあって、人形浄瑠璃文楽はフランスで高い評価を受け、07年には人形遣いの吉田簑助もコマンドゥール章を受章している。