クドウ・ユキオ。翻訳家、評論家。
2008年7月5日、日本におけるポーランド文学研究の第一人者で翻訳家、評論家の工藤幸雄さんが、肺がんのため死去。83歳。
1925年、旧満州(現・中国東北部)の大連生まれ。東京大学仏文科在学中からロシア文学、ポーランド文学の翻訳を手がけ、アメリカのインディアナ大学大学院に留学。同中退後、54年に共同通信社に入社。外信部記者を経て、67年から74年までポーランドのワルシャワ大学で、日本学科講師を務め、75年帰国。77年から95年まで多摩美術大学教授を務めたのち、2001年3月まで同客員教授。この間、ポーランドの自主管理労働組合「連帯」を支援し、ポーランド資料センターを開設、代表幹事を務めた。1999年「ブルーノ・シュルツ全集」の翻訳で読売文学賞を受賞。著書に「ワルシャワの7年」「ワルシャワ物語」「ぼくの翻訳人生」、訳書にミツキエヴィチ「パン・タデウシュ」、ミッチェナー「ポーランド」などのほか、ロシア文学ではゴーリキー「イタリア物語」(共訳)などがある。