コバヤシ・マコト。ノーベル物理学賞受賞者。
マスカワ・トシヒデ。ノーベル物理学賞受賞者。
ナンブ・ヨウイチロウ。ノーベル物理学賞受賞者。
2008年10月7日、スウェーデン王立科学アカデミーは2008年のノーベル物理学賞を、高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授、益川敏英京都産業大学教授と、アメリカのシカゴ大学の南部陽一郎名誉教授の3人に授与すると発表。
小林誠名誉教授は1944年、愛知県生まれ。名古屋大学理学部卒業後、京都大学理学部助手などを経て、高エネルギー加速器研究機構・同素粒子原子核研究所長を2006年に退任。日本学術振興会理事。
益川敏英教授は1940年、愛知県生まれ。名古屋大学理学部卒業後、京都大学理学部助手などを経て、同大学基礎物理学研究所教授、同所長。現在は京都産業大学教授。
2人は京都大学理学部助手だった73年に「CP対称性の破れ」の現象を説明するため、当時、3種が確認されていた素粒子の一つクォークについて、少なくともさらに3種が存在するとしたクォークの六元模型を提唱し、日本の英文専門誌「プログレス・オブ・セオレティカル・フィジクス」に発表。現在ではこの「小林・益川理論」は素粒子物理学の基礎となる「標準理論」となっている。
南部陽一郎名誉教授は1921年、東京生まれ。関東大震災で父の故郷福井県に移り、42年、東京帝国大学理学部物理学科卒業。大阪市立大学教授を経て52年に渡米。58年にシカゴ大学教授となり、91年から同大学名誉教授。70年にアメリカ国籍に帰化。60年代初頭、素粒子を扱う場の理論に「対称性の自発的破れ」(「自発的対称性の破れ」ともいう)という概念を導入。この理論は、素粒子研究の進歩の原動力ともなり、小林・益川理論の誕生にもつながっている。78年に文化勲章を受章しているが、69年のアポロ11号の飛行士らが授与されたことを除いては、日本生まれだが初めての外国籍の受賞者となった。他にもアメリカ版ノーベル賞とも呼ばれるベンジャミン・フランクリン・メダルなど、数々の賞を受賞している。