ソウマ・ユキカ。「難民を助ける会」会長、尾崎行雄記念財団副会長。
2008年11月8日、NPO法人「難民を助ける会」会長として、難民支援や対人地雷廃絶に力を尽くした相馬雪香さんが、老衰のため死去。96歳。
1912年、東京生まれ。女子学習院卒。父は、国会開設以来連続63年にわたり代議士生活を続け、藩閥、軍閥を批判して戦時中は投獄もされたことで「憲政の神様」として知られる尾崎行雄。イギリス人の血を引く母にイギリス流の厳しいしつけを受けて育つ。37年、相馬恵胤(やすたね)と結婚。戦後は「許し・いやし・和解の心を育てる」ことを掲げた国際的平和運動「道徳再武装(MRA Moral Re-Armament)」などの社会運動に取り組む。ベトナムやカンボジアからの難民流出が大きな問題となっていた78年、カナダの友人から、「難民を受け入れない日本人は冷たい」と書かれた印刷物を受け取り、憤慨。翌79年、「インドシナ難民を助ける会」を設立した。現地での救援と日本への難民受け入れに奔走し、「難民は日本の宝」として、定住難民への奨学金制度なども作った。84年には支援対象を世界に広げ「難民を助ける会」に名称変更。同会は96年以降、対人地雷廃絶にも取り組んだ。98年には、尾崎行雄記念財団の副会長として、父の雅号を冠した「咢堂(がくどう)塾」を設立。自由に政治を議論する勉強会として続けてきた。