オオシマ・ナギサ。映画監督。
2013年1月15日、「日本の夜と霧」「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」などで知られ、国際的にも高い評価を受けた大島渚さんが、肺炎のため死去。80歳。
1932年3月31日、京都府生まれ。京都大学法学部卒業後、松竹に助監督として入社、59年「愛と希望の街」で監督デビュー。60年には「青春残酷物語」で第1回日本映画監督協会新人賞を受賞。同年公開の安保闘争を扱った「日本の夜と霧」が上映中止にされたことから松竹を退社し、妻で女優の小山明子らと独立プロ・創造社を旗揚げ。性や暴力の荒々しい表現などから、新しい映像時代の旗手として高く評価され、篠田正浩、吉田喜重らとともに「松竹ヌーベルバーグ」と称された。73年、創造社解散後は外国資本による制作を打ち出し、76年には日仏合作の「愛のコリーダ」を発表、その過激な性表現が物議を醸した。78年、「愛の亡霊」でカンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞。83年にはデビッド・ボウイや坂本龍一、ビートたけしらを起用した「戦場のメリークリスマス」が大ヒットを記録。また、映画制作の一方でテレビのワイドショー番組にもコメンテーターとして積極的に出演し、「バカヤロー」と怒りをぶつける姿が親しまれた。96年に脳出血で倒れたが、99年に「御法度」を公開。同作が監督としての遺作となった。