ドイ・タケオ。精神分析医。
2009年7月5日、「『甘え』の構造」などの著書で知られる精神分析医の土居健郎さんが、老衰のため死去。89歳。
1920年、東京生まれ。東京帝国大学医学部卒。アメリカのメニンガー精神医学校に留学後、聖路加国際病院の神経科医長などを経て、東京大学や国際基督教大学の教授を歴任。83年から85年まで国立精神衛生研究所長も務めた。140万部を超えるロングセラーとなった71年の著書「『甘え』の構造」で、日本独自の言葉である「甘え」をキーワードに、義理人情や遠慮など日本人の特性をひも解き、日本人論ブームのさきがけとなった。各国語にも翻訳された同書は文化人類学や社会学、心理学などに影響を与え、「甘え」は国際的な学術用語ともなった。その他の著書に「漱石の心的世界」「精神分析と精神病理」「精神療法と精神分析」などがある。