ツカ・コウヘイ。本名 、金峰雄(キム・ボンウン)。劇作家、演出家。
2010年7月10日、「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」などの作品で演劇界に「つかブーム」を巻き起こした劇作家のつかこうへいさんが肺がんのため死去。62歳。
1948年4月24日、福岡県生まれ。慶応大学文学部在学中から学生劇団に加わり、69年「赤いベレー帽をあなたに」で劇作家デビュー。74年、「熱海殺人事件」で第18回岸田國士戯曲賞を史上最年少受賞(当時)。同年、「劇団つかこうへい事務所」を創立し、以後「巷談松ケ浦ゴドー戒」「戦争で死ねなかったお父さんのために」「初級革命講座飛龍伝」「ストリッパー物語」「いつも心に太陽を」などを公演。演劇界に「つかブーム」を呼んだ。81年「蒲田行進曲」で戦後世代の作家として初の直木賞を受賞。自身が映画向けに脚色し、深作欣二が監督した映画化作品は空前の大ヒットとなった。演劇による地方からの文化発信を目指し、94年に東京都北区と、95年には大分市と組んで劇団を旗揚げ。また、厳しい指導で平田満、風間杜夫、加藤健一、筧利夫らの実力派俳優を育て、内田有紀や石原さとみ、黒木メイサといったアイドルを演技派女優に脱皮させたことでも知られる。つかさんは2009年9月に肺がんを告知され、療養していたが、病床から電話で開幕直前の「飛龍伝2010ラストプリンセス」の演技指導をしていた。