コウノ・トシロウ。国文学者。
2010年10月1日、「志賀直哉全集」「白秋全集」「岩野泡鳴全集」などの編集で知られる日本近代文学研究の第一人者で早稲田大学名誉教授の紅野敏郎さんが、肺炎のため死去。88歳。
1922年6月19日、兵庫県生まれ。52年早稲田大学文学部国文学科卒業。高校教諭を経て、92年まで早稲田大学教育学部教授。大正時代の白樺派の作家などを書誌学、文献学的方法で幅広く研究。晩年の志賀直哉とも親交を結び「日本近代文学大事典」や「志賀直哉全集」の校訂編集に携わった。東京の駒場にある日本近代文学館の運営にも開館以来長くかかわり、山梨県立文学館館長なども歴任。他の著書に「文学史の園」「昭和文学の水脈」「近代日本文学誌」などがある。