サトウ・マコト。映画監督、京都造形芸術大学教授。
2007年9月4日、新潟水俣病が発生した阿賀野川流域の人々を描いた「阿賀に生きる」などの作品で知られるドキュメンタリー映画監督、佐藤真さんが、転落死。49歳。
1957年、青森県生まれ。東京大学在学中に熊本水俣病患者の支援活動を手伝い、卒業後、記録映画「無辜(むこ)なる海」の共同製作に参加。各務洋一に師事した後フリーとなり、89年から新潟県三川村でスタッフと共同生活をしながら、「阿賀に生きる」を撮影。92年に完成した同作品で芸術選奨文部大臣新人賞などを受賞。以後、知的障害者とアートをテーマにした「まひるのほし」、写真家・牛腸茂雄をめぐるドキュメンタリー「SELF AND OTHERS」、「阿賀に生きる」の続編「阿賀の記憶」、パレスチナ出身の思想家、エドワード・サイードを題材にした映画「エドワード・サイード OUT OF PLACE」などを製作。著書に「日常という名の鏡」「ドキュメンタリー映画の地平」「映画が始まるところ」「まどろみのロンドン」「ドキュメンタリーの修辞学」、共著に「焼いたサカナも泳ぎだす」などがある。佐藤さんは2006年から、そううつ病で入退院を繰り返していたという。