タテマツ・ワヘイ。本名、横松和夫。作家。
2010年2月8日、「遠雷」「道元禅師」などの小説のほか、環境保護活動への取り組みでも知られる作家の立松和平さんが、多臓器不全のため死去。62歳。
1947年12月15日、栃木県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中から執筆を始め、早稲田文学新人賞を受賞。70年「途方にくれて」でデビュー。土木作業員などを経て宇都宮市役所に勤務し、79年からは文筆活動に専念。80年「遠雷」が野間文芸新人賞に選ばれ、翌年に映画化された。86年からテレビ朝日系報道番組「ニュースステーション」でリポーターとして出演した際の朴訥(ぼくとつ)とした語り口で親しまれ、環境保護活動やパリ・ダカールラリーへの参戦など、行動派作家としても知られた。曾祖父が足尾銅山で働いていたことなどから97年「毒-風聞・田中正造」を執筆、毎日出版文化賞受賞。93年には連合赤軍事件を扱った「光の雨」で死刑囚の手記を無断引用して問題になったが、5年後に改稿して出版した。この頃から仏教に傾倒し、2007年「道元禅師」で泉鏡花文学賞と親鸞賞を受賞している。09年12月から全集「立松和平全小説」(全30巻)の刊行がスタートしたばかりだった。