サノ・ヨウコ。絵本作家。
2010年11月5日、ロングセラーとなった「100万回生きたねこ」など絵本、童話、エッセー、翻訳などで幅広く活躍した絵本作家の佐野洋子さんが、乳がんのため死去。72歳。
1938年6月28日、中国の北京生まれ。武蔵野美術大学卒業後、百貨店宣伝部のイラストレーターを経てフリーに。67年にベルリン造形大学でリトグラフを学んだ後、71年に「やぎさんのひっこし」で絵本作家としてデビュー。75年「おじさんのかさ」でサンケイ児童出版文化賞推薦賞、77年「わたしのぼうし」で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。同年刊行の「100万回生きたねこ」は178万部のロングセラーとなり、ミュージカルにもなった。晩年は自らの老いを見詰めるエッセーを発表し、2004年の「神も仏もありませぬ」で小林秀雄賞を受賞。08年の「シズコさん」では母親との確執を描き、同年の「役にたたない日々」では、がんに冒されていることを明らかにした。他の作品に「わたしが妹だったとき」「わたしいる」「こんにちはあかぎつね!」「ねえ とうさん」「だってだってのおばあさん」、エッセーに「こども」「恋愛論序説」など。詩人の谷川俊太郎は元夫。