ナカムラ・シカン。本名、中村栄次郎。歌舞伎俳優。
2011年10月10日、歌舞伎の人間国宝で、品格ある女形として知られた7代目中村芝翫さんが、肝不全のため死去。83歳。
1928年3月11日、東京生まれ。祖父は大正~昭和初期に名女形として活躍した5代目中村歌右衛門、父も女形として人気のあった5代目中村福助。33年に4代目中村児太郎を名のり初舞台を踏む。同年父を亡くしたため祖父に学び、40年に祖父が没した後は6代目尾上菊五郎に師事した。41年に7代目福助、67年に7代目芝翫を襲名。74年には「京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」で日本芸術院賞を受賞。96年に人間国宝、2006年には文化功労者となるなど、名女形として歌舞伎界を支えてきた。05年に肝臓がんが判明するも本人には告知せずに治療が施され、舞台にも上がり続けてきた。11年8月の「花形大歌舞伎」の舞台は最後まで務めたが、9月1日に出演した「秀山祭九月大歌舞伎」の「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」が最後の舞台となった。