タワダ・ヨウコ。作家。
2011年11月7日、ベルリン在住で、日本とドイツ2カ国の言語で創作活動を続けている作家、多和田葉子の「雪の練習生」(新潮社)が、第64回野間文芸賞に選出された。
1960年3月23日、東京都生まれ。82年早稲田大学文学部ロシア文学科を卒業後ドイツに渡り、同国の書籍取次会社の研修社員として働く。87年、日独2カ国語で詩集を出版。88年には初めてのドイツ語の小説「ヨーロッパのはじまるところ」を執筆。90年ハンブルク大学修士課程を修了し、91年「かかとを失くして」で群像新人文学賞を受賞し日本デビュー。以降、日独両方の言語で、それぞれ違う作品を発表。93年「犬婿入り」で芥川賞受賞。96年にはバイエルン芸術アカデミーから、ドイツ語が母語でない作家に贈られるシャミッソー賞を受賞。2000年にチューリッヒ大学の博士号を取得し、「ヒナギクのお茶の場合」で泉鏡花文学賞。02年「球形時間」でBunkamuraドゥ マゴ文学賞、03年には「容疑者の夜行列車」で伊藤整文学賞と谷崎潤一郎賞を受賞。05年ゲーテ・メダル、09年早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。世界各地での朗読やパフォーマンスでも知られる。11年8月には「尼僧とキューピッドの弓」で紫式部文学賞を受賞している。