ツカモト・カツミ。生物学者。
2012年3月12日、日本学士院が、世界で初めてウナギの天然卵を採集した塚本勝巳東京大学教授に、自然保護の基礎となる研究業績に与えられる学士院エジンバラ公賞を贈ると発表。
1948年、岡山県生まれ。東京大学大学院農学系研究科水産学専攻博士課程中退。94年、東京大学海洋研究所(現大気海洋研究所)教授。アユ、ウナギ、サクラマスをモデルに回遊魚の生態と進化過程を解明。長年にわたるフィールドワークと魚の内耳の中にある耳石と呼ばれる組織の分析から、ニホンウナギは、西マリアナ海嶺南部の海山域で新月の時期に一斉産卵するという「海山仮説」「新月仮説」の2つの仮説を立てた。2009年、それをもとに世界初のウナギ天然卵を北太平洋西マリアナ海溝付近の海域で採集することに成功。初めてウナギの産卵地点をピンポイントで特定した。