ピーター・ヒッグス。Peter Higgs。理論物理学者。
2012年7月4日、欧州合同原子核研究所(CERN)は、物質に質量を与えると考えられている素粒子、ヒッグス粒子と見られる新たな粒子を発見したことを発表。
1929年5月29日、イギリスのタインアンドウィア州生まれ。50年にロンドン大学キングスカレッジを卒業。以後、同大学やエディンバラ大学などで研究を続け、80年から96年までエディンバラ大学教授。64年に南部陽一郎(2008年ノーベル物理学賞受賞)の、対称性の自発的破れを原型とする、電弱理論における対称性の破れの理論を執筆。このなかで物質に質量を与えたとされ、宇宙の成り立ちを説明するうえで欠かせない「ヒッグス粒子」の存在を予測した。これまでにポール・ディラック賞、ウルフ賞物理学部門、J・J・サクライを受賞している。ヒッグス粒子は標準理論で予想された17種類(電荷の区別を入れると18種類)の素粒子のなかで唯一見つかっていなかったもので、今回の発見をもとに標準理論を超えた次のステップへの展開も期待される。