ボリス・アクーニン。Boris Akunin。本名、Grigory Shalvovich Chkhartishvili。作家、日本文学研究家。
2007年9月7日、ボリス・アクーニンをペンネームとするロシアの人気作家で、日本文学研究家としても知られるグリゴリー・チハルチシビリが、講談社の第16回野間文芸翻訳賞に選ばれ、モスクワで授賞式が行われた。
1956年、グルジアのトビリシ生まれ。モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学で日本研究を専攻。卒業後、文芸誌編集部に勤めるかたわら、三島由紀夫、島田雅彦、多和田葉子らの現代日本文学をロシア語に翻訳。旧ソ連で「ファシズムの作家」としてタブー視されていた三島由紀夫の諸作品は出版の当てもなかったが、ペレストロイカ(86年~。立て直し、改革政策)で解禁された。98年からは、日本語の「悪人」をもじったアクーニンのペンネームで歴史探偵小説「エラスト・ファンドーリンの冒険」シリーズを発表。同シリーズはロシアで空前の大ブームを巻き起こし、日本を含む世界30カ国以上で翻訳されている。
野間文芸翻訳賞は2年に1度、対象言語を設定し、日本文学のもっとも優れた翻訳作品の翻訳者に贈られる賞で、ロシア語が対象言語となったのは今回が初となる。