ヤマギワ・モトオ。作家。
2009年3月19日、インドのカースト制度を紹介した「不可触民―もうひとつのインド」などで知られる作家の山際素男さんが、肺炎のため死去、79歳。
1929年、三重県生まれ。朝日新聞社勤務の後、59年、法政大学文学部を卒業。60年から65年にかけインド国立パトナ大学、ビスバラティ大学に留学。81年の「不可触民―もう一つのインド」で、カースト制度の悲惨な実態を日本に紹介して注目された。98年には、8年かけて編訳した古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」(全9巻)で日本翻訳出版文化賞を受賞。ダライ・ラマ14世の自伝を翻訳するなど、チベット問題にも積極的に関わった。その他の著書に「カーリー女神の戦士」「破天―一億の魂を掴んだ男」「不可触民と現代インド」「チベット問題―ダライ・ラマ十四世と亡命者の証言」、訳書に「ブッダとそのダンマ」「アンベードカルの生涯」「中共はいかにチベットに侵入したか」などがある。