ビトウ・タダシ。高校野球監督。
2011年3月6日、和歌山県立箕島高校野球部監督として甲子園で春夏計4度の優勝を果たし、ベンチで選手を笑顔で見守る「尾藤スマイル」で知られた尾藤公さんが、ぼうこう移行上皮がんのため死去。68歳。
1942年10月23日、和歌山県生まれ。小学4年から野球を始め、箕島高校時代は4番で捕手を務めたが、近畿大学進学後に腰をいためて中退。地元で3年間の銀行勤務を経て、66年に23歳で監督に就任。東尾修投手（元西武監督）を擁した68年の第40回選抜高校野球大会で、甲子園に初出場し準決勝に進出。島本講平投手（元近鉄）らを中心選手とした70年の選抜で初の全国制覇を果たした。一時監督を離れて74年に復帰、77年の選抜で再び全国制覇。79年には、夏の大会3回戦で石川県の星陵高校と延長18回にもおよぶ熱戦を演じた末に、史上3校目となる春夏連覇を成し遂げた。春夏計14回の甲子園で通算35勝（10敗）の戦績を残し、95年に監督を退き、97年からは日本高校野球連盟の役員。近年は闘病の傍ら、技術・振興委員長として連盟が次代の指導者育成を目的に2008年から開講している「甲子園塾」の塾長を務めていた。