レイゼイ・フミコ。冷泉家時雨亭文庫名誉会長、冷泉家24代当主夫人。
2011年7月12日、平安~鎌倉時代の歌人、藤原俊成・定家の跡を継ぐ、和歌の師範家として知られる冷泉家の24代当主夫人で、同家に伝わる文化遺産の保存と継承にも尽力した冷泉家時雨亭文庫名誉会長の冷泉布美子さんが、急性肺炎のため死去。94歳。
1916年、京都府生まれ。藤原定家の孫、為相が興した冷泉家は、代々宮中や武家の歌道師範を務めてきた公家で、布美子さんは22代当主為系の4女。兄の為臣(23代)の戦死などで家を継ぎ、西四辻家の次男の故・公順=為任を24代当主に迎え、「古今和歌集」や定家直筆の日記「明月記」(国宝)など、歴代が800年にわたり収集してきた2万点に及ぶ貴重な古典籍を守ってきた。81年に財団法人冷泉家時雨亭文庫を設立するなど、国宝や重要文化財の古典籍、古文書の公開にも踏み切り、公家文化の保存公開や本の出版なども積極的に行った。著書に「冷泉家の花貝合せ」、共著に「冷泉家の歴史」などがある。