マエダ・タケヒコ。放送作家、タレント。
2011年8月5日、「マエタケ」の愛称で親しまれ、バラエティー番組や歌番組などの軽妙な司会で人気を集めたタレントの前田武彦さんが、肺炎のため死去。82歳。
1929年4月3日、東京生まれ。太平洋戦争中は海軍予科練習生で特攻兵器蛟龍（こうりゅう）の訓練を受けた。戦後、鎌倉アカデミア演劇科に学び、立教大学中退後、NHKのテレビ放送開始と同時に放送作家となり、「シャボン玉ホリデー」などの台本を手がける一方、60年代後半からはタレント業にも進出。68年スタートの歌番組「夜のヒットスタジオ」では芳村真理とコンビを組んで初代司会者を務め、大橋巨泉と組んだ69年のバラエティー番組「巨泉×前武ゲバゲバ90分！」でも人気を呼んだ。演芸番組「笑点」の2代目司会者や「ゴールデン洋画劇場」初代解説者なども務めた。73年、生番組のエンディングで参議院補欠選挙に当選した共産党候補者に向け万歳のポーズをとったことが問題となり、一時テレビの仕事から離れたが、80年代中ごろに復帰。以後、映画「釣りバカ日誌」シリーズに常務役でレギュラー出演するなど、俳優としても活躍した。