オスカー・ニーマイヤー。Oscar Niemeyer。建築家。
2012年12月5日、ニューヨークの国連本部ビルやブラジルの首都ブラジリアの主要建築群などを設計した、ブラジルの世界的建築家オスカー・ニーマイヤーさんが、肺炎などのため死去。104歳。
1907年12月15日、ブラジルのリオデジャネイロ州生まれ。リオデジャネイロ国立芸術大学建築学部では、巨匠ルシオ・コスタに師事した。47年、フランスのル・コルビュジエらと共に、ニューヨークの国連本部ビルの設計プロジェクトに参加(49年着工)。60年に首都移転したブラジリアの建設プロジェクトでは、大聖堂や国民会議議事堂、大統領府、最高裁判所などの主要建築物を一手に手掛けた。ブラジリアは、のちに町全体が世界遺産に認定されている。共産党に入党していたことから、64~85年のブラジル軍政時代は迫害を受け、フランスなど海外に亡命。帰国後の88年には、建築界のノーベル賞ともいわれるアメリカのプリツカー賞を受賞。2004年には高松宮殿下記念世界文化賞も受賞している。「自由で官能的な曲線」を用いた建築作品は600件以上。12年は入退院を繰り返していたが、病床でも進行中のプロジェクトの打ち合わせを行っていたという。