ベネディクト16世。Pope Benedict XVI。本名、ヨゼフ・ラッツィンガー。Joseph Alois Ratzinger。第265代ローマ法王。
2013年2月11日、ローマ法王ベネディクト16世が枢機卿会議で、高齢により重責を果たせないとし、2月28日をもって法王職を退位すると表明。
1927年4月16日、ドイツのバイエルン州生まれ。39年に神学校に入学。第二次世界大戦末期には対空防衛補助活動に従事。戦後は神学校に復学し、51年に司祭に叙階された。以後、フライジング大学などで教授として教壇に立った。77年に法王パウロ6世の親任によりミュンヘン・フライジング大司教、枢機卿となり、81年にはローマ法王庁の教理省長官などに就任。教会の宗教的純粋性を重んじた前法王ヨハネ・パウロ2世を支えた。2002年より首席枢機卿を務めた後、05年4月にドイツ人としては950年ぶりに法王に選出された。以来、09年にバチカンとロシアの外交関係樹立に導いたほか、10年のカトリック聖職者による未成年者性的虐待の発覚や、12年の内部文書の流出事件など、数々の難題に直面するカトリック教会の舵(かじ)取りを担うも、対応への批判が相次いだ。実質的に終身制の法王の退位は、1415年にグレゴリオ12世以来約600年ぶりとなり、極めて異例。新たな法王を選出するコンクラーベは3月中旬にも開かれる見込み。