ジョセフ・ナイ。Joseph S. Nye, Jr.。国際政治学者。
2009年1月7日、アメリカ大統領に同月20日に就任するバラク・オバマの次期政権が、駐日大使に元国防次官補でハーバード大学教授のジョセフ・ナイを起用する方針を固めたことが明らかになった。
1937年、アメリカのニュージャージー州生まれ。58年プリンストン大学を卒業後、オックスフォード大学に学び、64年にハーバード大学で政治学博士号を取得し、同大の研究職となる。カーター政権では国務次官補佐、クリントン政権では国家情報委員長や国際安全保障担当の国防次官補を歴任。ナイ・レポートなどの通称で呼ばれる戦略文書を作成し、日米安全保障同盟を再定義した。軍事力や経済力などの「ハードパワー」だけではなく、価値観や文化などの「ソフトパワー」を合わせ、外交手段として活用すべきだとする「スマートパワー」論を提唱している。その後、09年5月になって、駐日大使には、弁護士のジョン・ルースが、正式に指名された。