ロバート・マクナマラ。Robert Strange McNamara。政治家、実業家。
2009年7月6日、アメリカのケネディ大統領、ジョンソン大統領の政権でベトナム戦争を指揮したロバート・マクナマラ元国防長官が死去した。93歳。死因は不明。
1916年、アメリカのカリフォルニア州生まれ。ハーバード大学経営学大学院を卒業後、当時最年少で同大学院の助教授に就任。第2次世界大戦中は陸軍中佐として日本への戦略爆撃にかかわる。戦後は自動車大手メーカーのフォード社に入って頭角を現し、フォード家以外からの初の社長となった。61年、44歳の史上最年少でケネディ政権の国防長官に転身。62年のキューバ危機以後、大陸間弾道弾(ICBM)などの配備を加速し、冷戦下におけるアメリカの核抑止政策を確立させる一方、ベトナム戦争では軍事介入を拡大し、泥沼化を招いた。68年に国防長官を辞任。退任後は世界銀行総裁などを務めた。95年にベトナム戦争は誤りだったとする「マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓」を出版。2003年にはドキュメンタリー映画「フォッグ・オブ・ウォー」に出演し、広島への原爆投下に疑問を呈するなど、晩年は核廃絶を唱えていた。