ヤマダ・イスズ。本名、美津。女優。
2012年7月9日、70年以上にわたり映画、舞台の第一線で活躍し、女優として初の文化勲章を受章した山田五十鈴さんが、多臓器不全のため死去。95歳。
1917年2月5日、大阪府生まれ。父は新派の女形だった山田九州男。母は芸者で、6歳から芸事に親しみ、13歳のとき「剣を越えて」で映画デビュー。溝口健二監督の「浪華悲歌(なにわえれじい)」「祗園の姉妹」で注目を集め、成瀬巳喜男監督の「鶴八鶴次郎」などで長谷川一夫と共演し、人気を不動のものにした。戦後も映画「猫と庄造と二人のをんな」「蜘蛛巣城」「どん底」などに出演。60年代以降は舞台を中心に活動し、「たぬき」「太夫(こったい)さん」で芸術祭大賞を2度受賞。「必殺シリーズ」で三味線おりくを演じるなどテレビドラマでも活躍。初代水谷八重子、杉村春子とともに「三大女優」と称された。2000年に女優として初めて文化勲章を受章。山田さんは4度の結婚、離婚を繰り返すなど、恋多き女性としても知られた。02年に脳梗塞(こうそく)で倒れ、その後、一線を退いていた。