ヤマナカ・シンヤ。医学者。
2012年10月8日、スウェーデンのカロリンスカ医学研究所が、2012年のノーベル医学・生理学賞を、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大学の山中伸弥教授と、細胞核の初期化に道筋をつけたイギリスのケンブリッジ大学のジョン・ガードン教授の2氏に授与すると発表。
1962年9月4日、大阪府生まれ。87年神戸大学医学部卒業後、臨床研修医を経て研究者に転身。奈良先端科学技術大学院大学で受精卵を使わずに万能細胞を作る研究を始め、2006年マウスの皮膚からiPS細胞の開発に成功。07年にはヒトの皮膚からもiPS細胞を作ることに成功した。これらの功績により、09年にアメリカのアルバート・ラスカー基礎医学研究賞、11年にイスラエルのウルフ賞医学部門などを受賞。10年4月から京都大学iPS細胞研究所(CiRA)長を務める。医療分野のノーベル賞は世の中に広まった段階で授与されるのが一般的だが、iPS細胞の研究はまだ実際に患者に使われたケースはなく、極めて異例のスピード受賞となった。同時受賞となったガードン教授は、1962年にオタマジャクシの細胞の核を初期化してクローンカエルの作製に成功するなど、細胞核の初期化と幹細胞に関する研究のパイオニアとして知られ、2009年には山中教授とともにラスカー賞を受賞している。