ルチアーノ・パバロッティ。Luciano Pavarotti。オペラ歌手。
2007年9月6日、イタリアのオペラ歌手で世界3大テノールの1人、ルチアーノ・パバロッティさんが、腎不全のため死去。71歳。
1935年、イタリアのモデナ生まれ。パン職人でアマチュア・テノール歌手だった父親とともに地元の合唱団に参加。師範学校卒業後、教壇に立ちながら声楽を本格的に学び、61年イタリア国内でオペラ・デビュー。63年以降は海外にも活躍の場を広げ、72年のニューヨーク・メトロポリタン劇場で上演されたドニゼッティの「連隊の娘」では、トニオ役のアリアでハイC(高いハ音)を苦もなく歌い、「キング・オブ・ハイC」という異名をとった。名声を確立した後は、90年のサッカーW杯イタリア大会前夜に、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに特設舞台に立った「3大テノール」公演のように、野外やアリーナなど大規模公演に積極的に取り組み、数万人の観衆を集めて話題を呼んだ。70歳となる2005年10月での引退を表明し、04年には日本でも引退コンサートが行われたが、06年2月にはトリノ冬季五輪の開会式に登場し、いすに座りながらも「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)で美声を披露。同年4月からはヨーロッパでの「引退ツアー」が始まったが、6月にすい臓がんと診断されて中断。療養を続けていた。