クロカワ・キショウ。建築家。
2007年10月12日、「共生」「メタボリズム(新陳代謝)」など、新しい理念を示し、国際的に活躍した建築家の黒川紀章さんが、心不全のため死去。73歳。
1934年、愛知県生まれ。父親も建築家で、金沢美術工芸大学教授で建築家の黒川雅之は実弟。京都大学建築学科を卒業後、東京大学大学院で丹下健三に師事。大学院在籍中に代謝・成長し増殖する都市像を提唱する集団「メタボリズム・グループ」を菊竹清訓、川添登らと結成。その思想に基づいて生まれた集合住宅、中銀カプセルタワービル(東京)は初期の代表作。東京の国立新美術館、大阪の国立民族学博物館、国立文楽劇場などのほか、アムステルダムのゴッホ美術館新館など、海外20カ国以上に作品を残した。都市論、文化論の論客としても知られ、カザフスタンの新首都アスタナ、中国の鄭州などの都市計画も手掛けた。80年代以降は、女優の若尾文子との再婚で話題を呼び、「日本文化デザイン会議」を主宰するなど、建築家の枠にとらわれない活動を展開。近年は都知事選挙や参院選挙に出馬するなど、政治にも意欲を示した。「共生の思想」「都市デザイン」など、著書多数がある。