オオノ・ススム。国語学者、学習院大学名誉教授。
2008年7月14日、190万部を超えるミリオンセラー「日本語練習帳」などで知られる国語学者の大野晋さんが、心不全のため死去。88歳。
1919年、東京生まれ。東京帝国大学国文学科で橋本進吉に師事。52年に学習院大学助教授に就任、60年に教授。上代特殊仮名遣(づか)いの研究を進め、53年に「上代仮名遣の研究」を発表、「係り結びの研究」で94年に読売文学賞を受賞した。「岩波古語辞典」の編さんには約20年の月日をかけて取り組んでいる。また、日本語の研究を通して「日本とは何か」という課題を追究。南インドのタミル語と日本語との類似点を指摘し、タミル語を日本語の起源の一つとする説を唱え、反響を呼んだ。「日本語の文法を考える」など国語に関する一般向けの書籍も多く、99年の「日本語練習帳」はミリオンセラーとなり、同年、井上靖文化賞を受賞した。