ジョン・アーチボルト・ホイーラー。John Archibald Wheeler。物理学者。
2008年4月13日、第二次世界大戦中から戦後を代表する物理学者で「ブラックホール」の命名者としても知られているジョン・ホイーラー博士が、肺炎のため死去。96歳。
1911年、アメリカのフロリダ州生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学卒。33年に物理学博士号を取得し、アメリカ学術研究会議(NRC)のフェロー、ノースカロライナ大学助教授を経て、38年からプリンストン大学助教授となった。42年からは原子爆弾開発のためのマンハッタン計画にも参加。この間、核分裂のメカニズムについてニールス・ボーアと共同研究を行った。戦後はプリンストン大学に戻り、統一理論についてアルバート・アインシュタインと共同研究をし物理学をリードする一方、水素爆弾の開発計画にも関わった。教育者としては、リチャード・ファインマン博士など多くのノーベル賞学者を輩出したことでも知られる。重力が巨大なため、物質だけでなく、光さえも放出しない天体を「ブラックホール」と名付けるなど、晩年は量子重力理論の構築に精力を傾けた。