スティーヴン・オカザキ。Steven Okazaki。ドキュメンタリー監督。
2007年8月6日、広島、長崎の被爆者の証言を軸に原爆を描いたドキュメンタリー映画「ホワイトライト/ブラックレイン」が、4000万世帯が加入する大手ケーブルテレビを通じて全米で放映。
1952年、アメリカのロサンゼルス生まれ。愛媛県出身の祖父母をもつ日系3世。1976年にサンフランシスコ州立大学の映画学科を卒業したのち、短編ドラマやドキュメンタリーを手がける。91年には、太平洋戦争中にアメリカで行われた日系人強制収容を描いた作品「待ちわびる日々」で、アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞。広島・長崎への原爆投下については、漫画「はだしのゲン」を読んで関心をもつようになった。81年に初めて広島を訪れ、翌82年、被爆者を取材した「生存者たち」を発表。2005年には体内被曝による小頭症患者を追った「マッシュルーム・クラブ」を発表している。20数年にわたって500人以上の被爆者を取材してきた。「ホワイトライト/ブラックレイン」では、14人の被爆者と、爆撃機「エノラ・ゲイ」の搭乗員など、原爆投下にかかわった4人のアメリカ人の証言を軸に、原爆を包括的に描いている。日本でも、「ヒロシマナガサキ」の邦題で07年7月から各地の映画館で公開されている。