マルッティ・アハティサーリ。Martti Ahtisaari。政治家。
2008年10月10日、ノルウェーのノーベル賞委員会が、30年以上にわたり国際紛争解決に尽力してきたマルッティ・アハティサーリ前フィンランド大統領に08年のノーベル平和賞を授与すると発表。
1937年、フィンランドのビープリ市(現ロシア領)生まれ。少年時代には旧ソ連軍に追われて避難生活を送ったこともあるという。教員養成大学を卒業後、パキスタンでのNGO活動を経て、65年フィンランドの外務省に入省する。73年駐タンザニア大使、77年にはナミビア独立支援のための国連事務総長特別代表となり初めて紛争調停を経験。93年社会民主党党首となり、94年3月、初の国民選挙で大統領に当選する。コソボ紛争ではEU(欧州連合)特使を務め、北アイルランド紛争、アンゴラやソマリアの内戦の調停にかかわり、インドネシア・アチェ紛争やコソボ独立を仲介するなど、2000年の大統領退任後も国際紛争の解決に尽力してきた。